不妊基本検査

  1. 基礎体温測定
  2. 頸管粘液検査
  3. 性交後検査
  4. 子宮卵管造影検査
  5. 経腟超音波検査
  6. 精液検査

1.基礎体温

基礎体温とは、朝起床時に安静な状態で舌下に婦人体温計を入れて測定した体温です。
スマホアプリ「ルナルナメディコ」もご利用いただけます。

基礎体温でわかること
  • 排卵の有無がわかる
  • 毎月のパターンから排卵日が予測できる
  • 黄体機能不全の有無がわかる
  • 不正出血の原因を推測することができる

  1. 毎朝、起床時すぐ(起き上がる前)に口の中(舌下)で検温して下さい(電子体温計はピピと鳴るまで)。数値は上記のように記入し、折れ線グラフにして下さい。
  2. 毎朝大体同じ時刻に検温をして下さい。睡眠時間が平常より短い、起床時間が極端に違う時は、備考欄に記載して下さい。不規則なお仕事をされている方は4時間以上の睡眠時間があれば、起床時間が違っても問題ありません。
  3. 上記の例にならって、月経周期は必ず記載してください。また、月経・不正出血・帯下・腹痛・性交なども記載して下さい。

※基礎体温表中の月経周期というのは、月経の始まった日を第1日として次の月経が始まる前日までの期間をいいます。

婦人科体温計について

婦人科体温計は一般的な体温計と違い、基礎体温の微妙な変化を測定することができます。
小数点第2位つまり0.00の位まで測定ができます。一般的な体温計で正確な体温を測定することは難しいとされています。
最近の電子体温計は予測値として測定値を出すので、数値のバラつきがはげしいことがありますが、必ず記入して折れ線グラフにしてみてください。グラフにすることで、全体を把握することができます。

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2.頸管粘液検査

▶検査時期:排卵期
女性には卵巣の卵胞から分泌される卵胞ホルモン(E2)の作用により排卵日近くになると子宮と腟を結ぶ子宮頚管が水様透明な粘液で満たされます。これが、頚管粘液です。一般的に「おりもの」と呼ばれています。
排卵の頃になると精子の通過を助けるため、量が増し透明度が高くなります。また牽糸性(けんしせい)と言って粘液が糸を引くように変化します。粘液量が少ない、濁っている、また粘稠度が高い場合には精子が子宮の中に侵入することができず不妊の原因となります。

検査方法

頚管粘液の量をみる
頚管粘液の量が少ないと、精子が子宮に入りにくくなります。

頚管粘液の索糸性をみる
排卵直前の頚管粘液は伸ばすと糸を引くように伸びる性質があります。10㎝以上伸びるのが理想ですが、この伸びが短い時には卵胞ホルモンが十分分泌されていない可能性があります。

3.性交後検査

▶検査時期:排卵期
フーナーテストとも呼ばれ、精子の子宮内への進入状態を調べる検査です。排卵時期の前夜または当日の朝性交をもち、午前中に受診していただいて子宮頚管粘液を少量採取し、頚管粘液中に精子がいるか運動性はどうかなど顕微鏡で観察します。
その結果で精子が子宮の中に進入しているかを推定することができます。性交後2~3時間後の検査が望ましいのですが、12時間以内での検査で判定も可能です。

結果が不良の場合には、精液所見の異常、検査時期と排卵のずれやクロミッド使用などによる頚管粘液所見の不良、性交障害なども考えられます。また、精液検査で精子数や運動率に異常がないにもかかわらず性交後検査の結果が不良の場合は、抗精子抗体の検査が必要です。
排卵時期以外では腟内は分泌物が酸性で頚管粘液の増加もないため、活動精子が認められなくても異常ではありません。

性交後検査の判定基準

(400倍視野あたりの運動精子数で判定)

15個以上…妊娠率が有意に高い
10~14個…妊娠は十分に期待できる
5 ~ 9個…妊娠は期待できる
4個以下…妊娠率は有意に低い

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4.子宮卵管造影検査

▶検査時期:月経周期8日目~10日目
※検査前6か月以内の感染症検査とクラミジア検査が必要です
子宮の入り口から細い管を入れて造影剤を注入し、レントゲンの透視下で子宮腔の形や卵管の通り具合を調べる検査です。検査時期は、月経開始8日目から11日目です。
造影剤を注入する時に多少痛みがありますので、検査の前に痛み止め(坐薬)を使用します。検査結果によっては治療方針が全く異なる場合がありますので、早期に行うことが望ましいです。
この検査は不妊症の検査において重要ですが、事前に既往歴などの確認を行い、検査が可能であるかを医師が判断します。造影剤による重篤な副作用がおこる可能性の高い方には検査を行わない場合もあります。

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5.経腟超音波検査

▶検査時期:排卵期・着床期
腟内に親指ほどの太さの超音波診断装置のプローブを挿入し、子宮や卵巣の状態をモニターに映し出す検査です。
不妊症の検査としては排卵日を正しく測定するために卵巣内の卵胞の数や大きさを調べます。この検査は卵胞の発育状態を正しく判断することに必要です。
またこの超音波検査では子宮内膜の状態を見ることができ、受精卵が着床する環境が整っているか判断します。

6.精液検査

▶検査時期:排卵期以外
※検査前6か月以内のご主人の感染症検査が必要です
精液の異常(男性不妊)は不妊症の30~40%を占めることから、精液検査は重要な検査のひとつと言えます。この検査では、マスターベーションにより採取された精液を顕微鏡下で観察し、精子濃度、精子運動率、奇形率などを測定します(一般検査)。WHO(世界保健機構)の定めた基準は、1年以内に自然妊娠で挙児を得られた人の最低値をもとに算出されていて、自然妊娠の一つの目安となります。

精液検査の判定基準

精液量 1.5 ml 以上
精子濃度 15.0×106/ml以上(1ml中に1500万個以上)
運動精子濃度 6.0×106/ml以上(1ml中に600万個以上)
精子運動率 40%以上
精子奇形率 96% 以下
総精子数 39.0×106/全量以上(全精液中に3900万個以上)
白血球
1ml中に100万個 以下
→白血球を含めた円形細胞全体としての基準を用いる場合
円形細胞 1ml中に500万個 以下

当院では一般的な精液検査に加えて、精子の妊孕能(妊娠につながる能力)をみる検査も行い、男性因子の有無を総合的に評価しています。

精液の採取は用手法(マスターベーション)です(禁欲期間は3~5日)。精液の採取はご自宅でも採取していただけますが、その際は2時間以内に当院へ届けていただくことが条件となります(運搬の際は極端な温度変化を避け、できるだけ体温に近い状態を保つ必要があります)。  
当院の採精室をご利用いただくことも可能です。

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