Q&A

妊娠しやすい体作りや食べ物はありませんか? 日常生活で注意することはありますか?

妊娠しやすい体作りや食べ物は基本的にはありませんが、健康的な体作りのために、バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。喫煙は生殖機能を脅かす可能性があります。安全で健康な妊娠生活のためにも禁煙は必要です。健康補助食品やサプリメントについては、基本的に問題はありませんが、女性ホルモンに影響する可能性があるものなどもありますので、使用前に医師にご相談ください。

結婚後 妊娠を望んで1年が経過します。受診をしたほうがいいでしょうか?

日本での「不妊症」は、「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊とされ、その一定期間については1年が一般的である。」と定義されています。日本での定義では長い間、この期間は2年とされていましたが、H27年8月から1年に変更をされました。 なお,妊娠のために医学的介入が必要な場合(たとえば、月経不順がある、性交障害があるなど)には期間を問わないとされています。 実際のデータでも結婚後1年で9割弱のカップルが妊娠にいたるといわれています。女性の年齢が高ければ高いほど、妊娠がしにくくなるとされていますので、妊娠を望まれて1年の経過があって、ご夫妻での「なぜ妊娠しないのかな?」と思うところがあれば、一度受診を検討されてもいいと思います。

卵管造影検査で片方の卵管が閉塞しているといわれました。妊娠は可能ですか?

片側の卵管閉塞の場合であっても、通過性のある側の卵管に問題がなければ、妊娠にいたるとされています。卵巣も左右にあり、卵管も左右にあります。従来は、右卵管閉塞があれば、反対の左卵巣から排卵するときでないと妊娠しないといわれていました。しかし、最近の知見では、左右どちらの側の排卵周期でも妊娠の可能性はあると変わってきています。卵管は人の手のように動くので、排卵するのが左右どちらの卵巣でも卵管は卵子を捕まえることはできるとされています。したがって、従来の考えは当てはまらなくなっています。 ただし、卵管閉塞がなぜ起こったのかを考えると、閉塞していない卵管も同様の影響を受けていることが考えられます。したがって、妊娠を目指す期間や治療がある程度経過した場合には、卵管の問題があると考えて、体外受精の選択が必要になる場合があるかもしれません。

精子をためすぎると奇形が増えますか?

禁欲期間が長すぎると正常な運動精子が少なくなる可能性があり、奇形精子(形態の異常・DNAの異常)が増える可能性も高くなるといわれています。また、精子の運動率が低下すると妊娠の可能性も低くなると考えられています。当院では3~5日間の禁欲期間を適当としています。

精液検査で異常がありました。運動精子数がどの位あれば、人工授精での妊娠が期待できますか。

人工授精において、800万以上の運動精子を用いた場合には一定の妊娠率が得られます。800万以下では妊娠率は顕著に低下します。

Day3 ET(胚移植)とDay5 (Day6) ETの違いは?

Day3 ETとは採卵日を0日目とし、正常に受精して分割胚まで進んだ初期胚を子宮に戻すことです。またDay5(Day6) ETは胚盤胞移植といわれていて、胚盤胞まで発育した胚を子宮に戻すことです。当院では基本的に初回ARTの方を対象にDay3 ETを行っています。受精が確認できれば胚移植を行えますので、移植ができない事はほとんどありません。ただし、妊娠に至る胚であるかどうかの判断は難しい場合があります。Day5(Day6) ETはDay3 ETで妊娠に至らなかった方を対象に、胚が胚盤胞まで育つことを確認して行います。胚盤胞まで発育する胚は生命力のある良好な胚と考えられるので、妊娠する可能性が高いということになります。しかし、複数の初期胚の培養をすすめても、およそ半数の胚が分割途中で発育が止まるとされています。胚盤胞まで全く発育しない場合もありますので胚移植ができないこともあります。

体外受精で妊娠・出産した児に先天異常の頻度は高くないのですか?

授精から出産にかけて、染色体異常の大部分は死滅や流産で選別されます。
このような選別は体外受精にも自然妊娠にも働いています。実際のデータでは、顕微授精で多少染色体異常が増える可能性がありますが、先天異常は増えていません。

結婚して2年経ちます。この間に初期の流産が2回ありました。2回目の流産から約1年経過しますが、妊娠に至っていません。流産をくり返す場合は、「不育症」だと聞いたことがあります。どのように治療をしたらよいのでしょうか?

一般的には連続して3回以上の自然流産をくり返した場合を習慣性流産といいます。しかし2回の流産後、3回目の妊娠が流産になる確率は約35%といわれています。これらのカップルに対しての考え方を「不育症」といいます。そのため当院では、2回の流産後でも(習慣性流産ではありませんが)、やはりなんらかの原因があるかもしれないと考え、不育症の検査また必要な治療を行ってから、妊娠を目指していただくようにしています。不妊症と不育症は重なっている部分と、全く違う部分があります。しかし不育症で検査を行った患者さんの中には、不妊症としての治療が必要な方も多くいらっしゃいます。不育症の検査は種類がたくさんあります。いずれにしても、専門の施設を受診され、相談されたほうが良いと思います。